前世界銀行副総裁の西水美重子さんの素晴らしい本。(Ronronさん、教えてくれてありがとう!)
読んでいて大きな感動とともに、いかに自分がこの世界のことを知らないかに恥じ入った。
BOP(Bottom(or Base) of the Pyramid:世界の人口をピラミッドに喩えて、その底辺で貧困に喘ぐ40億人以上の人々)の世界が人類、日本、そして自分自身にとってとても重要なことは最近じわじわ感じていて、かなり本を読んだり人に会ったりしているつもりだったけど、とんでもなく浅いことを改めて思い知らされた。そして、企業人としてのアプローチからは抜け落ちている(避けている)視点を見せつけられた気がした。それは、貧困層の人々への自立のチャンスを直接作って行くことだけでなく、当たり前だが、その国のリーダーへ影響を与え、支援し、必要に応じて厳しく対峙すること。この歳からよちよち歩きでどこまで行けるか分からないけれど、歩いてみたい。
- 作者: 西水美恵子,田坂広志(解説)
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2009/04/07
- メディア: 単行本
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一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の石倉洋子先生のblogで紹介されて、ウレシイ!
その石倉洋子先生がこのエントリーを読んでこの本について書いてくださいました。それを読んで、「このマンガをどうして書いたのかについて書こうと思っていたのに書いていないこと」を思い出しましたので追記。(2009.5.6)
この本の最初の章に書かれている西水さんの原体験。
はじめて訪れたエジプトの貧民街。少女ナディアが自分の腕のなかで息をひきとったとき、自分の人生が決定的に変わった。
西水さんはその原体験の衝撃によって人生が変わった。それまでの自分が住んでいた世界の殻が崩壊したのだと思う。その強烈な原体験はそうそう得られるものではないが、この本は、会社とか先進国の殻に囲まれた自分の世界に小さいけど自分にとっては大きな穴を開けてくれた。・・・そういうことをこのマンガでは言いたかったのです。