梅田望夫氏の新刊(あっという間に世の中はどんどん動いているけど)「シリコンバレーから将棋を観る」を読んだ。
「指さない将棋ファンが『観る楽しみ』を追求」というコンセプトで書かれた本。
トップの棋士たちが見ている世界は、一般の人には分からない。そのトップの棋士である羽生棋士でさえ「将棋は奥が深く、結局よく分からない」というくらい分からない。その分からない世界に「ドキドキ」「ワクワク」を感じさせてくれるのが梅田氏。圧倒的なデータと筆力の合わせ技で。人間は、自分が体験できないことまで想像する力があり、その気にしてくれる作品は素晴らしい。登山をやらなくても、量子力学の数式が理解できなくても、そこで戦っているのは人間であり、読み手も人間であるからこそ、人間としての描写はその世界が分からなくても深く染み入る。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/04/24
- メディア: 単行本
- 購入: 95人 クリック: 1,178回
- この商品を含むブログ (162件) を見る