勢川びきのX記 (4コマblog)

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幸せはどこに

以前から、昨年和訳されたビル・マッキベン著「ディープエコノミー」の中に書かれていた下記の話をマンガに描きたいなあ、ってずーっと思っていました。

一般的に一人当たりの収入がおよそ一万ドルまでなら、一貫して幸福は金で買うことができるが、それを超えると相関関係はなくなるという研究報告がある(Diener and Seligman "Beyond Money" figure2, p.5).
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「インド、メキシコ、フィリピン、ブラジル、韓国などの貧しい国々が経済成長を遂げるにつれて、平均的な幸福感が増しているという証拠がある」とリチャード・レイヤードは述べている。しかし、一万ドルのポイントを超えるとまったくバラバラになる。アイルランド人がアメリカの三分の一ほどの収入を得ていたとき、彼らは高い満足度を示していた。スエーデンやオランダも同様だ。コスタリカの人々は日本人よりも高い満足度を得点し、フランス人はベネズエラ人と同じくらいに人生に満足している。事実、基本的なニーズが満たされると「満足度」のデータは規則性を失う。

ディープエコノミー 生命を育む経済へ [DIPシリーズ]

ディープエコノミー 生命を育む経済へ [DIPシリーズ]

そしたら、たまたま関連するエントリーが「経済活動(貨幣価値)の外で - 勇気と想像力、そして少々のお金」に書かれていたので、背中を押された感じで、エイッて描けちゃいました。sap0220さん、ありがとう。

「年収が一万ドル(約100万円)」というのを聞くと、随分前(15年ほど前)に、大前研一さんがさかんに言っていた「後進国も年収が1万ドルを超えれば、先進国への仲間入りの入り口にあたる『1万ドルクラブ』に入会したのと同じで、市場としても魅力が出てくる」という話を思い出します。この「ディープエコノミー」に書かれていることと裏表の関係で、実は同じことを言っているとも思いました。つまり、「年収が一万ドルを超えれば、モノが溢れる先進国経済の市場として見なされるようになり、それ以上稼いでも、モノにまみれるばかりで幸せ感は遠のく」ということかな、と。
しかし、世界67億人の半分以上がまだ一日あたり2ドル以下で暮らしている貧困層。年収1万ドルは遠い。この人達の収入をなんとか伸ばして、人間として、当たり前の人生を送れるような世界にしたいものだ。



今日は神戸にいる父親の誕生日。82歳になりました。昨年から始めた「俳句ブログ長い人生 短い俳句)」で書き貯めてきた俳句を、はてなの「ブログを本にするサービス」で本にして、プレゼントしました。たまたまだけれども、丁度100句でした。先ほど電話したら、すごい喜びようで、こっちも嬉しくなってしまいました。やっぱり金じゃないなあ、って改めて思いました。

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