勢川びきのX記 (4コマblog)

日々・世界の全てを4コマで

貧困のない世界を創る

2006年にノーベル賞を受賞したバングラディッシュグラミン銀行の創設者であり総裁のムハメド ユヌス氏の講演を前から2列目の至近距離で聞いた。英語での講演だった。


内容は、下記の本に出ていたものが中心だが、実際の声を聞いて、同じ空気を吸って、感じ入ってしまった。久々に人に惚れた。

貧困のない世界を創る

貧困のない世界を創る

全人類65億人を収入のピラミッドに喩えてみると、最上位の部分は、日本/欧州/米国などの「先進国」で約10億人。その下にBRICsの一部など約10億人があり、その下に位置する40億人以上をBoP(Bottom of the Pyramid)と呼ぶ。BoPの多くの人々は一日$2以下で生活する貧困層の人々だ。(最近はBoPはBase of Pyramidの略とすることも多くなってきている。)

彼が発明したマイクロクレジットは、その貧困層の人々に担保もなしで小額のお金を貸すというシステム。それも主に(殆ど)虐げられていた「女性」に貸し出す。彼女たちはそれを原資に様々な小さな事業を行い、お金を稼ぎ、返却する。そのシステムは、先進国での通常の銀行業より返却率が高いという驚きの成果を生んでいる。

詳しくは
http://www.rikkyo.ne.jp/web/z3000268/socialdesigner/vol10/p01-Yunus.html


では先進国の企業は何をすべきか。
ユヌス氏はビジネスは否定しない。むしろ積極的に肯定する。しかし、一方で、「Social Business」という今の資本主義とは一線を画した「生まれた利益は株主に返すのではなく、更なる貧困層の改善のためのビジネス開拓に使う」というコンセプトを提唱している。さて、先進国の大企業に勤める私たちはどういう世界を築いて行くべきだろう。難しいが大きくて挑戦しがいのある課題だ。
欧米ではいくつかの企業が既にSocial Businessを開始したり、真剣に検討したりしている(ヨーグルトのダノン社、フォルクス・ワーゲン社、BASF社、アディダス社など)が、日本の企業は殆どない。

BoPは大企業こそが救える、という趣旨のこの本↓は、大企業に働く人間として勇気をもらえる。BoPの基本理解も進むいい本だ。

未来をつくる資本主義 世界の難問をビジネスは解決できるか [DIPシリーズ]

未来をつくる資本主義 世界の難問をビジネスは解決できるか [DIPシリーズ]

にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ ぽちっとクリック。