勢川びきのX記 (4コマblog)

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世の理(ことわり)


少し前の本だが、強烈な本。(「暴走する資本主義」ロバート ロバートライシュ著)

暴走する資本主義

暴走する資本主義

繰り返し出てくるのが、「現在を支配している超資本主義(Supercapitalism)の世界では『投資家』と『消費者』の2者の強者の論理しか存在しない。その間に挟まれる企業は身動きは取れない」という点。投資家は自分の金が増える事(株価や配当)だけに興味があり、消費者は自分の金を押さえる事(買い物は安い方がいい)しか興味がない。投資家と消費者に共通しているのは、どちらも「(メーカーなどの企業や製品が)気に入らなければ他に行けばいい」ということ。そして、その苦しい立場の企業に勤めている社員自身が投資家であり消費者であるという多面性によって、Supercapitalismはにっちもさっちも行かない状態になっている。
この本では、「企業はそういう世界に住んでいるから仕方ないのだ、企業を責めても意味はない」と言いながらも完全に企業を「極悪非道」扱い。そこで働いている血の通った人間が多様な考えを持って生きているという視点はほぼ完全に抜け落ちていて、大層気持ち悪いが、豊富な知識・データと鋭い切り口で様々なことを考えさせられる。影響力がでかい。読む方はこころして手に取ってください。

*最後のコマはいまいちエッシャーになりきれず、残念。

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