夏
今はぐるぐる巻いて部屋の中へ
咲きそうで咲かない止まったつぼみ
夏
今はぐるぐる巻いて部屋の中へ
咲きそうで咲かない止まったつぼみ
*銀行業界専門雑誌「バンクビジネス」に7年間連載してきた「パンクビジネス」の作
品です。(日時は雑誌発行日で掲載)
東大(本郷)のそばにある「旧岩崎邸庭園」に時間が空いたので行ってみた。三菱を作った岩崎弥太郎が買った土地に3代目の社長になった息子が建てた邸宅。
案内の方がいて、1対1でとても丁寧に説明してくれて面白かった。
金唐革紙は不勉強で知らなかった。触った感じはまさしく皮だが、実は紙。それを型に押し付けて叩いて凹凸の紋様を作る。
大変な作業。漫画にも書いたように、戦後、この建物は米軍に徴収され、壁も白一色にペンキ塗りされてしまったそうだ(アメリカ人らしい・・・)。
久里洋二氏は11pmのアニメーションなどで有名なイラストレーター(画家?)だが、実は1970年の大阪万博の時にリコー館で作品が投影された作家でもある。恐らくその関係だと思うのだけれど、リコーの厚木事業所の数百人入る大きな食堂の壁(幅も20m以上あったと思う)に久里洋二氏のイラストが描かれていた。「わあ!久里洋二さんだ!!すごい!いい会社だなあ」って思っていた(周りにこの感動を共有できた同僚はいなかったけれど)。
ところがある日・・・なんとその絵の上から壁全面に黒のペンキが塗られてしまったのだ。なんということをするのだ。本当に怒りに震えた・・・のを久々に思い出した。
(ちなみに、本当にリコーの厚木事業所に久里洋二さんのイラストがあったかどうかの証拠となるような情報や写真はネットでは見つからず・・・当時は当然スマホもなかったので、写真も撮っていない。誰か「覚えているよ」とか「写真を持っているよ」という人がいたら連絡ください)
まあ、アホでもシンプルに生きればなんとかなるという話で。
(でも、本当にモノが見つからない。一貫性の想定は当たっていても、目の前にあっても「見えない」。脳みそがおかしい・・・(昔からなので年のせいではないと思うけど))
もう目の前に来ている改憲発議。なんか話題にもあまり登らなくて、気がつくとどう考えてもおかしい安倍案をベースとした「(他はそのままにして)自衛隊を明記」に対して国民投票まで持って行かれるかもしれない(結構な可能性があると思う)。
国民投票は二択(これにするかしないか)である必要はないし(複数選択肢の中から選ぶのもあり)、国民投票になるまでに、別のもう少しまともな案を提出して議論を戦わせて欲しい。でもどうしたらいいのだろう。「野党は頼りないし当てにできない」と諦めて斜に構えるのは簡単だけど、それでは政党に頼らずに直接安倍案に対抗する手段はあるのだろうか。
「今のままでいい」という形の護憲ではなくて、「憲法で縛りたかったものをちゃんと縛れるものを」という護憲精神的な考えで、別の選択肢を作って議論してほしい。そういう希望を多くの国民が持って、野党がそれに気がついて、案をぶつけてもらうしかない・・・と思う。一縷の、かな。(「縷」は「細い糸」のことらしい。切れないで欲しい)
一番の問題は時間がないことだ。