勢川びきのX記 (4コマblog)

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あこがれのマンネリ

ビッグコミック創刊物語―ナマズの意地」(作者: 滝田誠一郎)を読んだ。昨年、週刊朝日の取材で滝田さんご自身から頂いたもの(またしても頂き物・・・)。

ビッグコミック創刊からその後の王道の確立まで、様々な人間模様や秘話が生き生きと描かれている。
改めて思ったのは「新しい素晴らしいことは、とんでもない人々によって始まる」ということ。妥協せず、不可能と思われるようなことを足掻きながらも前進して達成する人達。憧憬の念。
そして、ビッグコミックは「偉大なるマンネリ」の道を突き進む。
「新しいこと」も「続けて行く」と「型」ができる。最初の「新しさ」の「跳び感」の大きさ・素晴らしさがなければ続くことはなく、「型」に至らない。単に始めることも難しいが、継続することを始めることはもっと難しい。「継続」が難しいのではない。「継続することを始めること」「継続するように『型』を固めて行くこと」は、なかなかできることではない。

ふと思うのは、いしいひさいち氏の「バイトくん」を約30年前に読んだ時の衝撃。「起承転結」ではなく「起承承承」。これは驚きだった。そしていしい氏は「型」を固めて行った。

私の仕事は「新しいこと」を企画し、推進すること。一発で終わらないように、と常に考えるが、ベンチャーと同じで「最初の成功に向かって突き進むこと」もとても大事で、あまり「二の矢、三の矢」を考えると「最初の成功」へのパワーが分散してしまう。この辺が難しい。「最初のものを担当するチームは、その最初のものに全力を傾けるようにし、その後に続くものは別チームが少し冷静になって準備していく」というのが恐らく正解のやり方なのだろうが、こういうことを考えること自体、自ら飛び込んで足掻くエネルギーをセーブして外野から「べき論」を垂れ流しているようにも感じる。
まして「型」に至るまで継続するというのは、当初から狙ってできるものではない。しかし、ビッグコミック初代編集長の小西湧之介氏は、当初から「時代に媚びると雑誌は死ぬ。時代に媚びて編集方針を変えるよりも、変わらないことに誇りを持て。その意味ではマンネリといわれることは嬉しいことだ」と言い放つ。・・・すごい。

(私の)この4コマブログは完全にマンネリだぞ、という声も聞えてきますが、「偉大なマンネリ」に至る道はまだまだ見つかってません。やなせたかし氏が50歳を越えてからアンパンマンを生み出し、偉大なるマンネリ化していった道が、まだ私もあると信じて。

ビッグコミック創刊物語―ナマズの意地

ビッグコミック創刊物語―ナマズの意地

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