「マンガ未来世紀(2006.9.10)」で聞いた話。
萩尾望都さん、浦沢直樹さんの両天才の共通項は「手塚治虫に思春期に衝撃を受けたこと」だそうだ。もちろん子供のころから手塚治虫の作品は読んでいたが、10代のある時期に「ガツン」と頭をやられて、人生が決まったとのこと。
萩尾さんは「新撰組」の一コマ。その一コマのために、萩尾さんの妄想の世界が広がる。書かれていない台詞がそこにあると記憶が書き換えられるほどに妄想する(この辺が萩尾さんの真髄)。
浦沢さんは「ライオンブックス」に収録されている「安達ヶ原」。乾いた地表のひび割れを書きたいだけの理由で作品を書き出す。
二人ともその「勝手な」思い込み・入れ込みが天才。
私も手塚さんにガツンとやられた一人。これまで読んだ本・見た映画の中でどれよりもガツンとやられた。10代の最初のころ。私はメジャーな「火の鳥」の未来編と復活編だけどね。でも萩尾さん・浦沢さんほどの深みがなかったのだなあ、と今は思う。
復活編は小学校6年生の時、塾の帰りに夙川(西宮市)の公園のベンチで読みきってしまった。人生観が変わった瞬間を夕陽と共に覚えている。
人を変えられる力。ただただ感服。