勢川びきのX記 (4コマblog)

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何が「高齢社会先進国」だ

この1か月の間に、高齢の両親に「CDプレーヤー」「液晶テレビ」「携帯(ガラケー)」を買ってあげる機会があり、(当然)手配・設置・使い方の教育の全てを行った。
 
改めて、「日本はアカン」と思った。
言葉では「高齢社会先進国」だとかなんとか謳うのが大好きだけれど、実際には高齢者のことをちゃんと考えた製品づくりなんて全くできていない。
 
今回買ったもので言うと、
●「CDプレーヤー」
・CDが超セットしにくい。コストダウンのためだろうが、かなりの手先の器用さが必要。
・セットしにくいので、デザイン上は「縦置き」になっているが、実際に本体を寝かせてCDを入れなければならない。そうして蓋を上にすると、ボタンの文字が上下逆になってしまう。
・なんと超有名電気メーカーのもの(設計から製造まで全て委託だろうけれど)

●テレビ
字幕モードのON/OFFをしようとすると、昔はリモコンに「字幕ボタン」があったが、最新機種では、「メニュー」から選び、画面上で2,3回ボタンを押してやっと選べる。ところが、操作をちょっとモタモタしていると、カーソルがある場所のメニューが開いてしまい、「字幕切り替え」の表示を覆ってしまって見えなくなってしまう。ほんの2,3秒で高齢者はそのスピードについていけない。

●携帯
高齢者用を購入。高齢者に必要なスピーカーフォーンへの切り替えの表示もない。音量調整のボタンも小さすぎて震える指ではちゃんと押せない。「スマホ」に慣れてしまった私たち子供世代にも「ガラケーでのお作法」は忘れてしまっているので、訳がわからない。「高齢者」=「昔のものがいい」という勘違いUI満載。メニュー構成も酷くて、どこで何がセットできるのかを探し出すのがだ大変。ネットで購入できるのはとてもいいが、本当にこれでもかというくらい訳がわからないことが頻発する。むちゃくちゃ疲れた。

おそらく、理由は「思考停止(自分で考えない、考えても誰にも言わない)設計」「設計者自身が使ったことがない」などだろう。こんなので「高齢社会先進国」とか言わないでほしい。この国の力はもうないのかもしれない、とまで思った。

本当の高齢者用は、まず「高齢者自らがその最新の機器の情報」を知らないので、実際にはその子供たちが買って、使い方を教えてくれるのが多いケースだろう。そして、「使い方」はその高齢者に合った「最小限の使い方」を選んで、プリセットなどをする。そういうことがやりやすい機器の開発はどうしてされないのだろう。「いやいや、ちゃんとやっていますよ」と言うのかな。信じられないけど。