勢川びきのX記 (4コマblog)

日々・世界の全てを4コマで

着実な前進・・・でいいのか?

安倍政権が進める「戦争ができる普通の国」に向かって凄いスピードで着実に前進している。今週も色々あったが、マスコミも飽きてきたみたいであまり騒がない。
右だろうが左だろうが、「国民の安全と財産を守る」とか「国際貢献する」のは誰でも合意するだろう。憲法も、このような「目的」、つまり、「何のため(What)」に言及している条項が多い。
憲法第9条は、ちょっと変わっていると思う。「何のため」ではなく「やり方(How)」について述べているのだ。目的(What)より、やり方(How)の方を上位に置いている。
面白い。
「何がなんでも戦争したり戦力を使ったりしません」と宣言している。つまり、「道具」を制限しているのだ。「そんなので国民の安全が確実に守れるか!」というのが反論の主な根拠だろう。その通り。「確実に」とは言えない。でも、やり方を決めちゃっているのが重要。その「戦争も戦力も使わずになんとかする」という「巨大な実験を続けようじゃないか」、というのが憲法第9条の宣言だと思う。そして70年という長い時間成功してきた。実験は、よっぽどのことがない限り諦めずに続けるものだ(理系なので・・・)。
「戦争をできるようにする」ように変更するのであれば、戦争/戦力なしの様々な方法で足掻いて足掻いて足掻ききる実験に、「戦争ができるようにする」ための議論以上にエネルギーを注ぐのが本来だと思う。今はそうは見えない。あらゆる手段を試すよりも「戦争」の方が効率よく目的に達することができる、という話が横行している(そのやり方も決して「確実」ではない)。

昨今は、「戦争」をHowとして議論しているというよりも、Whatとして「戦争できる国を作って、戦争するぞ」ということのために、多くの議論がなされているのが透けて見えて気持ち悪い。
自衛隊が出来、自衛のための戦力は許容されるとなった数十年前から、既にいくつかの「鍵」は開けられてしまってきた。そして、いよいよ大詰め。
もう、そこまで来ている。なんとかせんといかん。